“Collect-A-Con” in L.A

2026.08.07 Journal by Wolf and Wolff

先週末はロサンゼルスで開催された世界最大級のTCGの祭典、Collect-A-Conに。
2020年以降最も新鮮でホットなコレクターズアイテムといえばトレーディングカードゲーム。Pokémonを始めとする新時代のアートピース(?)を追い求め、世界中からコレクターが参加していました。

この現象は僕も気になっていまして、それこそ2020年頃にいくつか初期のPokémonカードを興味本位で買っていたことがありました。おそらくその頃がムーブメントの始まりだったように思います。当時は多くのカードがバブルのように高騰し、それが結局は収束し、やはりCovid-19の混乱に乗じた一時的なブームだった、かのように思いました。が、ここにきて復活。というよりジャンルとして完全に定着した感じがありますね。

掘って考えると、そもそもアメリカはトレーディングカードの歴史が他国に比べかなり長い。遡ること1800年代後半にその原型が誕生し、1950年代にはスポーツカードが登場。その頃から蒐集するコレクターの存在が一般的になったと言われています。そしてついにマジック・ザ・ギャザリングが1993年に登場。そのMTGこそが今の巨大なブームの元祖的存在に。
そこから30年。コレクターの層がおそらく根本から入れ替わり、タイトルの主役は日本発祥のアニメが中心となりました。

日本人の僕らからしたら「子供や一部のファンが遊ぶただのカードゲーム」、という印象が拭えないと思うのですが、世界から見ると文化を集める上等な趣味としての側面が依然強いのかもしれないと、実際に参加してそう感じました。

会場で購入したレアピースを淡々とハードケースに詰め、時折そのコレクションから数枚ディーラーに売却する参加者も。そんな光景もここでは珍しくありません。

会場にはPSAという、カードのコンディションを10点満点で採点するサービスの会社もブースを出していましたね。9点と10点とではカードによっては評価額の桁が変わるようなことも珍しくないため、有名な話だと北米版Pokemonカード初版の究極的カード、通称”Shadow less Char-lizard 1st edition”のPSA10は現在$900,000以上で取引きされています。

TCG以外にも、有名なタイトルが描かれた古い漫画も。これも専門会社によるコンディションが採点されていて、UVコートが施されたプラスティックケースに入り販売されていました。
既になんでもかんでも珍しければ高い、というタームからは抜けているとは思われますが、まだまだ見極める力が大切なのは変わらないでしょう。長い目で考えるのであれば。

↑のブースは面白かったです。これらは主に1990年代の映画やドラマのカード。全てが当時物で、未開封パックのみを扱っているマニアックなディーラー。トレンドの中心からはズレるので、その分プライスは現実的。ものすごい人だかりでした。

これらが今回イベントで買い集めたカードパック。殆どヴィンテージで、現状プレミアムがついているものではないのですが、デザインがクールだと思いませんか。中でもThe Wizard of Ozは熱い。現在Sphereで最先端テクノロジーを駆使した上映を行なっていますが(異常なクオリティです)、今色んな意味でセンスが良い世界観だと感じています個人的に。

日本にいると、宝くじより確率の高いギャンブルとして購入に意欲的な層がどうしても目立つ印象がありますが、今回実際にその渦の中心に行って一日練り歩くと、だいぶ価値観が変わりました。
歴史を振り返ると、カメラやクラシックカー、レコードや時計など、かつては集めて楽しむものではない、手段としての役割しかなかった時代がたしかにあったわけで、それがいつの日からか一部がコレクターピースと呼ばれるようになり、やがて巨大なカテゴリーとして世に根付いたと思うんです。もしかしたらこのTCGブームはそれらと同じような本物になる可能性が高いかもしれませんね。

さて最後は急に時計のはなし。最近ニューヨークのディーラーから仕入れたこのRolex oyster perpetual date gilt dialで締めさせてください。

1960年から1962年の間でしか見られない、ROLEXのロゴが通常よりも大きく珍しいディテールがこの年式のRef.1500の特徴なのですが、特筆すべきはご覧の通りそこじゃありません。
グロスフィニッシュのブラックダイヤルが、そのグロス感を維持したままこの圧倒的なハニーブラウンへと経年変化。ダメージや色斑も感じない、圧巻のコンディション。さらにギャランティー、クロノメーター認定書、62年に販売された際のレシートまでも付属。

本来飾らない、プレミアムピースからは敢えて距離を置いたポジションであることが支持される理由のリファレンスなのですが、。

最近はRolexだけに限らず、まるで美術品のようなと言ったら大袈裟かもしれませんが、僕のキュレーションの線引きはそこにあります。この時計は、このダイヤルは、まさにそんな一本でした。

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